『検察側の罪人』ネタバレその2
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[注意]木村拓哉さんと二宮和也さんが共演する2018年公開予定の映画『検察側の罪人』のネタバレです。

 

知りたくない方はお戻りください。

 『検察側の罪人』キャスト一覧

 

上巻分はこちら→『検察側の罪人』ネタバレその1

 

※原作の下巻分です

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松倉以外に犯人がいる…

 

凶器が見つかり、都筑夫婦殺害事件の容疑者として逮捕された松倉。

 

沖野は松倉を信じる気持ちも生まれていただけに、自分の判断に自信が持てなくなってしまう。

 

しかし、凶器の包丁は入念に洗ってあるのに自分の筆跡のある新聞で包んでいること、防犯カメラの映像やその他状況証拠が松倉犯人説と合わないこと、もうひとりの容疑者・弓岡が絶妙なタイミングで不自然に姿を消しても追求されていない事態に違和感を捨てきれない。

 

そこで、捜査側にいる人間が秘密裏に動いているのではないかと推測。

 

警察の捜査担当には、松倉が23年前に犯した根津の女子中学生殺人事件を担当した田名部管理官が含まれており、松倉が容疑者として浮上したときから特別な思いを隠していなかったため、田名部が関わっているのではないかという思いを最上にぶつけたところ、この事件の担当から外されてしまう。

 

最上に対して持っていた尊敬の気持ちの消滅、正義はほかにあるという信念の元、沖野は検事を辞める。

 

 

弁護士に転身し検察を相手に戦いを始める沖野 

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検事を辞めた沖野は、松倉の国選弁護人・小田島を説得し松倉の無罪獲得に向けて独自に捜査を始める。

 

しかし「検察」という組織に対抗するには、弁護士を始めて間もない二人では限界があった。

 

マスコミを巻き込むことを思いついた二人が「週刊平日」の記者・船木に協力を仰いだところ、勝機を感じた船木が刑事弁護でいくつも無罪を勝ち取り「無罪職人」の異名を持つ人権派大物弁護士・白川を紹介、冤罪のニオイをしっかり嗅ぎ取り「商機」を感じた白川は松倉の弁護団に加わることになる。

 

白川の加勢で世論にも影響が出てきて、検察側も警戒を始める。

 

最上は沖野の加担を感じるも、正面から受けて立つ覚悟を決める。

 

 

発見された弓岡の死体

 

山梨の別荘地で拳銃の薬莢が発見され、しばらく後に付近から弓岡の死体が発見される。

 

容疑者として名前があがっていた弓岡の死に捜査本部も沖野も揺れる中、沖野はふとしたきっかけで最上と23年前の被害者である中学生との関係に気づき、最上の犯行であるという可能性に思いが至る。

 

立証する方法を考える中、最上が拳銃を手に入れたのは闇社会のブローカー・諏訪部経由であると睨んだ沖野は、真相を話して貰おうと諏訪部に勝負を挑む。

 

勝負には勝ったものの「物は売っても人は売らない」が信条の諏訪部には結局真相を話してもらえなかった。

 

 

追い詰められる最上

 

万策尽きた沖野は「週刊平日」記者船木にすべてを話し、船木は沖野の推測のウラを取り、最上を告発する記事を書く。

 

それをきっかけに最上に対する取り調べが始まった。

 

最上は否認を続けるも次々と証拠が固められ、逮捕される。

 

一方で、松倉を犯人とする都筑夫妻の公判が延期されることが決定され、最上の逮捕と入れ替わりに松倉は釈放された。

 

 

最上の正義と沖野の正義

 

釈放された松倉は会見を開き、一度は認めた23年前の根津女子中学生殺人事件も自供を強要されたものだと話す。

 

それは半年間冤罪で勾留された松倉の社会復帰が円滑になるように、という白川弁護士による配慮だと説明されるが、同時にそれは白川があくまでクリーンな人間の味方をしたという「人権派弁護士」「無罪職人」としての経歴に陰がささないためのものであった。

 

女子中学生を殺害したのに時効で罪を償うことなく逃げ切った松倉を、やってもいない罪で極刑に処されることで罰しようとした最上は、一方で、検事である以上真犯人である弓岡を見逃すことができず殺害した。

 

自分の正義を貫いた結果塀の中に入った最上と、犯した罪もなかったことにして世に出てきた松倉。

 

罪を犯していない松倉が罰せられるのは正義ではないという思いから動いた沖野だったが、自分は本当に正しいことをしたのか、何を守ったのか…崩れていく自分を止められなかった。

 

 

感想

 

何も間違っていないのに間違えてしまったと悔やむ沖野。

 

自分の正義を貫き、刑務所に入ってもなおまっすぐでいる最上。

 

正義はお金になると話す人権派大物弁護士。

 

勧善懲悪では済まないのが後を引くおもしろさでした。

 

木村拓哉さんと二宮和也さんが共演するということで興味を持って読んだ本でしたが、白川弁護士が山崎努さん、小田島弁護士が八嶋智人さんというあたり、キャスティングぴったりですね。

 

映画版『検察側の罪人』木村拓哉と二宮和也が対立する検事に。キャスト、あらすじ、感想

 

主演の木村さんについて言うと、軽さは一切なく、「ちょまてよ」的な演技は不要な今回の映画は、どうなんだろう…。

 

木村さんが過去演じたシリアスな役というと『武士の一分』が思い出されましたが、あの時も盲目なのに怪我一つなく難敵を倒したスーパーマンでした。

 

今回も、人は殺すけれどもまっすぐで、一見汚いところはなくどこか超人然としている印象の役です。罪を犯すにしても結局カッコイイという。

 

だからこそ「キムタク」が演じるんでしょうか。

 

 

反対に二宮さんの演じる沖野は、途中本心とは関係なく松倉を追い詰めるために相当あらっぽいこともしますし事務官だった沙穂にすがる部分もありますし、かなり人間的です。

 

ここまで人間的な役、ジャニーズはOKなのかなとも思ったり。

 

これまで役者としての評価は「なにやってもキムタク」とあまり高くない木村さんが、この映画のあとどういう評価を得ることになるのか楽しみです。

 

 

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